「音の記憶 〜技術と心をつなげる〜」を読んで

 

心も体もふわっとあったかくなるスマイル整体屋 直(ナオ)です。
最近、音と身体との関係を紐解いています。その中で読んだ書籍の紹介です。

「音の記憶 〜技術と心をつなげる〜」

音の記憶 〜技術と心をつなげる〜
小川理子 文藝春秋

 

著者略歴
1962年、大阪府生まれ。パナソニック株式会社役員。3歳の頃よりピアノを始め、様々なジャンルの音楽に親しんでいたこともあり、慶應義塾大学理工学部在学中から、松下電器産業(現パナソニック)の音響研究所に憧れていた。86年入社後、同研究所に配属。金管楽器の形をしたスピーカー「サウンドスペースツインロードホーン」など数々のユニークな開発を手がけた。しかし93年に所属する部署が解散。その後、音響開発の現場は離れるが、ジャズピアノでは2003年に北米でリリースされたCDが英国専門誌で年間ベストアルバムに。
アマゾン BOOK著者紹介情報より

テクニクスでの仕事とその音の仕事から離れて行く中、ピアノを通じた
ジャズとの出会い
オーディオブランド”テクニクス”復活を女性役員の手記として
書かれています。
ジャズピアニストで大手企業の役員というおそらく世界で一人と思います。

以前大阪で何回かライブで聴かせてもらったことがあります。

アルバム(CD)も1枚持ってます。

感性を活かす。この本の中にあるものを感じました。
幼少期から青年期、仕事を通じて著者は音に関わってきた。
こだわるといううより追い続けてきたということでしょう。

私自身も音について新たに気づくことができました。

内容は本をお楽しみいただくとして

この本の中で印象的な部分

この本の中で印象的な部分を2箇所紹介します。(抜粋)

「良い音とはどういう音ですか?」(第13章)
→「二つの側面を両立すること。一つは音が生まれる瞬間のエネルギーと生命力を感じること、もう一つは音を長く聴き続けて心地よいと感じること。」
(中略)
時間と空間を贅沢につかみとる音楽という芸術は記録されない限り、瞬間的に、永遠に消え去る。だからこそ音の命を記録し再びよみがえらせる、オーディオという再生芸術が生まれた。しかし、記憶される以前の世界は、全てが記憶の世界であった。それは、人類の歴史でもあり、一人の人生でもある。

 

若い人へのをレッスン(第14章 抜粋)
・自分の個性を磨く。弱みを知る。強みを知る。
・挑戦し続ける
・他流試合をする
・豊かに発想し、創造する
・信念と情熱を持ち続ける
・Keep Play! Don’t Stop Play!
・経験を通じてダイナミックレンジを大きく
  ダイナミックレンジ:例えば音なら最小から最大までの幅の広さを示す。
・ものごとのバランスを感じるポジショニングを
・直観(直感)力を信じる
・専門性を尖がらせつつ、全体を把握・構築(T字型プロデュース)
・実相実質を見抜く
・多様性を受容し、活性化した環境づくりを
・日本文化(歴史、風土、社会文化など)を理解し伝える

この言葉は著者が公演なのでお話しする内容をまとめられています。

経験に裏打ちされた言葉があり、ものすごく共感しました。

読後に著者の演奏のように気持ちよくなりました。